千葉県で3番目に出来た道の駅「八千代ふるさとステーション」内にて、農産物直売所クラフトは営業しております。
今でこそ県内に数ある直売所ですが、1997年の設立当初は、全国的に見ても農作物を販売するルートは市場に卸すか行商しか方法がありませんでした。他市に比べて作付面積の限られた中、生産量ではなく品質向上に注力。独自の土づくりや有機栽培、減農薬など、手間暇をかけた自慢の野菜を、どうにか食卓へ直接届けられないものだろうか?自分たち生産者が協力し合って、市場に負けない販売ルートを確立し、安心できる食材を販売したい!
そんな思いから、八千代市の地元農家10名が集まり、農事組合法人「クラフト」は設立。八千代市で初めての農産物直売所立ち上げに至りました。
出店当初に比べて、市内にはこうした新鮮な地元野菜が手に出来る直売所や売り場が増え、今や珍しいものではなくなってきました。それでもオープン以来、絶えずお客様が足を運んでくださっています。
直売所として成功した秘訣、それは「農家の方々がぜひここで出品したい!」と思ってもらえる仕組みを整え、とにかく売り場を豊かにすることにありました。 例えば、出品の手数料が高ければその分を価格に上乗せせざるを得ず、結果客足が遠のいてしまいます。直売所自体を農家の方が利用しなくなってしまえば、自然と品数が減ってしまうので、さらに人が集まらなくなる・・・という負のスパイラルが原因で、直売所自体が成り立たなくなるケースが少なくありません。
クラフトでは手数料を安く設定しつつも、上限100名の農家を厳選することで、良品が集まるサイクルを構築。他の店舗からは「こんなにも農作物が集まってくるのか!」と驚かれ、全国からモデルケースとして見学に来るほど盛況となりました。
今も近隣市はもとより、県外からも足を運んでいただける直売所として愛され続けています。
クラフトとの契約農家は100名。一般的なスーパーに比べて格段に多いので、常に競い合う状況に。生産者同士が切磋琢磨し、より質の高い野菜が並べられる好循環を生み出しています。また、販売スペースが限られていることもあり、新規に品物を置く場合はよく吟味し、納得のいく商品を置くよう心掛けています。
直売所「クラフト」は会社なので、八千代限定ではありません。100名の会員構成は、主に八千代市内の農家ではありますが、市内では不十分な農産物を近隣市の農家会員の方々に補完してもらうことで、いつでも豊富な種類を取り揃えています。もちろん、一番の契約ポイントはその旨さ。評判の八街スイカや旭市の飯岡貴味メロンのほか、成田市で養豚を営む会員からは、新鮮で安全な豚肉を届けてもらいます。
初期から契約している会員の方々も、段々と高齢化が進んでいます。次世代を担う若手の参入を後押しすることで、売り場を活気づかせる取り組みを積極的に行い、八千代の農業発展にも注力しています。
最近はどのスーパーでも取扱い始めた流行りの「顔の見える農産物」。そのさきがけとも言えるのが、こうした生産者の名前が印字された直売所のパッケージです。生産者自身が1袋あたりの量や価格をつけられるので、同じ野菜でも量や値段はまちまち。美味しい!と思ったお気に入りの生産者名を探して、購入されるお客様も数多くいらっしゃいます。
生産者が使用した農薬の履歴を一括管理するため、民間で初めて「農ナビ」を導入。店舗独自の監視体制で、より安全性の高い野菜を提供しています。有機物を利用した土づくり・化学肥料低減・化学農薬低減の技術を組み合わせて、環境にやさしい農業に取り組むエコファーマー認定を取得している生産者も数多く、まさに今問われている「食の安心」を提供し続けています。